昨日の記事は、女性の方からけっこうな反響をいただきました。
やっぱり思い当たる方、他人事じゃない方、いらっしゃいますよね。
↓昨日のはこちら
少しでも勇気が出るきっかけになったらなによりです。
さて、今日は逆側。
つい怒っちゃったり、大声出しちゃったり、暴れちゃう方の人。
そういう方たちのためのお話です。
どちらかというと男性に多いかもしれないけど、逆境をパワーで乗り切ってきたような武闘派女子のみなさんも当てはまる場合があるかもしれません。
同時に、自分はそうじゃなくても、親やパートナーや上司など、そういった怒りっぽい男性に苦労している皆さんにとっても
「どうして?」の謎が解けるかもしれません。
どうして怒っちゃうんだろう?
自分の怒りの感情に手を焼いている人は多いようです。
どうしても怒っちゃう。
つい怒っちゃう。
しょっちゅう怒っちゃう。
そして怒っちゃってから「あーやっちまった。。。」って思う・・・。
でも、社会生活する上でそんなに怒ってばっかりいたら色々不具合も多いことも皆さん十分承知。
だからなんとか「怒りのコントロールやマネージメント」をしなければ!!って気をつけたり、そういう学びをしたりするんですね。
世の中にはそういう目的でいろいろな学びや理論や心がけがあると思いますが、私の視点をお伝えしたいと思います。
怒ってばかりの人は、泣いてみよう
です。
怒る人は「弱さ」が嫌い
よく怒る系の人・・・ここでは便宜上「タフ系の人」って言ってみますね。
なんで「タフ系」っていうかっていうと、よく怒ってる人っていうのは、だいたいの場合「強くあらねば!」と思っていることが多いからです。
わかりやすくいうと、星一徹みたいな典型的な「昭和のお父さん」がそうですね。
ブスッとしてるか、黙ってるか、怒ってるか、みたいな(笑)。
特に男性はね、ちっちゃい頃から「男は泣いちゃいかん!」とか「男は強くあれ!」とか言われて育つでしょう。
それで泣きたくなるような時だってグッと口をヘの字にして耐えて来た歴史が長いのです。
これは歴史的、文化的にしかたがないね。
さて、子供だったら泣きたくなる時ってどんな時?
寂しい、悲しい、不安だ、こわい、嫌だ、辛い、もうダメだ、できない、自信ない・・・そういった感情が湧いてきた時ですよね。
しかしタフ系の人の脳内では、そういったいわゆるネガティブ感情は「弱さ」ということになるんですね。
で、その弱さが「いかん!」わけですから。
そんな感情はあってはならないわけですから。
そういった感情が湧くことはダメなんです。
だから全部フタして我慢。
それからもう一つ。
感情の中でも、愛とか「甘え」に類するもの。
たとえば、好き、愛してほしい、わかってほしい、そばにいてほしい、甘えたい・・・
読んでるだけでムズムズしてきません?(笑)
「やめろバカッ、気色悪い!」とか思いません?
これも、タフ系の方たちの脳内分類では「弱さ」になるんです。
だからあっちゃダメです。
フタして封印。
あっちゃダメだから動揺を怒りに変える
ネガティブにしろ、愛にしろ、そういう感情っていうのはタフ系の方々流に言うと「めめしい」ってヤツなんですね。
あっちゃダメだし、出しちゃダメ。
気色悪いし、照れくさいし、めんどくさい。
だから、そういう感情に触れそうになると、一瞬密かに動揺します。ほんの0コンマ何秒だけど。
でもその動揺さえ「めめしい」からあっちゃダメなものだから、すかさずそれを打ち消します。
さらに、そんなあっちゃダメなモノを感じそうになる自分と、あっちゃダメなものを感じそうにさせた相手や状況に対してムカッとくるわけです。
なおかつ、なんとしても自分がそんなめめしく弱い人間じゃないことを、証明しなきゃなりません。
そこですかさず怒りのエネルギーに変換して「ガオーーッ!!」と出すわけ。
その時しゃべってる内容なんて実はどうでもいいんです。
相手の落ち度でも、モノの言い方でも、態度でも、電車が遅れたでも、袖がかすったでも、ハシが転んだでも・・・要は動揺を怒りに変換するためのネタだから、なんでもいい。
目的は、露呈しそうになった弱さ(つまり自分の感情)を扱いかねて動揺していることを感じないようにするための煙幕だから。
怒ってると、とりあえず強そうですからね。
「弱くないぞ!」という気にはなれるから。
それで、そういうタフ系のお父さんは、なんだか知らないけどふとしたことで突然怒り出すというわけです。
ということは、たとえ周りにいる奥さんや子供が、どれほど気をつけて心を配って、落ち度のないように、モノの言い方、態度、あれやこれや、お父さんの気に食わなそうなものはぜーーんぶ努力して排除して万全を尽くしたとしても、お父さん自身がそういう構造を持っていたら、さらに違うところからネタを持ってきてガオーーッ!!とやります。
問題はその件、あの件、じゃないのです。
原因は「オレを怒らせるお前」じゃないのです。
本当は微細で様々あるはずの自分の感情を「あっちゃダメ!」ってしてるから、「怒る」というたった一つの回路しか使えなくなっている。
それが、あなたが怒るのをやめられない理由です。
泣くことを許す
でもね、それやってると、周りはしんどいですね。
それはご自分もわかっているはず。
ほんとは大切な人にそんなこと、したくないですよね。
ならどうするか。
勇気を出して、寂しい、悲しい、不安だ、こわい、辛い、もうダメだ、自信ない・・・そういった感情を、あえて一人でじっくり感じてみることです。
誰もいないところで、一人でいいから。
まずは、それを感じてもいいと、自分に許可しましょう。
大丈夫。感じても大丈夫です。
それは、敗北でも脱落でもありません。
それは、死を意味しません。
あなたはこわれません。
もう大人だから大丈夫。
むしろ、そういう感情をちゃんと感じてホールドできる、それをグッと保持したままいられるその心の器が、本当の強さです。
そして、泣きそうになったら、ほんとに泣けるといいね。
こわい、といって泣いていい。
さびしい、といって泣いていい。
辛い、といって泣いていい。
そうやって「強い自分」を手放して、ちゃんと弱音を吐いて泣くことができたら大転換です。
もしできるなら、その気持ち、大切な人に正直に言ってみれたらいいね。
あなたが大切に思っているその人なら、バカにされるどころか、予想に反してとっても優しく受け止めてくれるかもしれませんよ。
実は女性は、大切な男性が自分の前で涙すること、けっこう嫌いじゃないものです。
それが心の真実ならば。
本当の本当に感じていること。
心の真実。
それを包み隠さず示された時、示された側も、心の真実が共振するからです。
それこそが、人と人とをつなぐからです。
甘えることを許す
そして、感情とはなにもそういったネガティブなものばかりではありません。
愛に類するものも感情です。
怒ってばかりの人は、実はとっても「わかってほしい」人です。
わかってほしい、やさしくしてほしい、ほめてほしい、そばにいてほしい、助けてほしい。
だって、好きだから、大事だから、頼りにしてるから。
ほんとはね。
そんな感情だってあるんですね。
でもそれを長い間「甘え」と呼んでしりぞけてきました。
だからそれを認めたくなくて、ガオーーッてやるんだけども。
これも、歴史的・文化的にしかたがないですが、これからの時代の人は、男性も女性も、こういう本当の感情をちゃんと認めて全人的に生きることが幸せの鍵になっていきます。
実は、そんなあなたが認めたくなかった、そういう柔らかく繊細な感情は「女性性」の領域にあります。
タフ系の人たちとは、あまりに男性性オンリーで生きようとして、女性性をゴッソリ落としてきた人たちということができます。
だからそういうの、「女々しい」って言って嫌うでしょう?
まさに、女性性嫌い、って言ってるわけですよ。
でも、もう気づく人は気づいています。
本来は、健全に女性性を育てた男性と、健全に男性性を育てた女性が、いちばんパワフルかつ幸せに生きることができるのだと。
内なる男性性と女性性の統合が、これからの時代の静かなテーマです。
つい怒っちゃう「タフ系」の人が、泣くことと甘えること、この2つを自分に許して認めることができるようになる、というのは、そんな大きなテーマにつながっているのです。
それができるようになったら、もうそこまで怒る必要がなくなります。
伝えたいことは怒らずに普通に伝えればよかった、ってことになります。
まず自分自身が楽になるでしょう。
そして周りの人も楽になります。
もう、いつ爆発するかからない地雷に戦々恐々とする必要なくなるんですから。
怒ってばかりの人は、泣いてみよう。
そしてたまには、甘えてみよう。
強さと愛が統合する
それができるようになると、あなたの内側から今まで現れたことがないような大きな何かがあふれてくるでしょう。
それは「愛」です。
単なる「甘え」とは違う、もっと大きくあらゆるものを包容するエネルギー。
その愛は、あなたが元々持つ「強さ」と統合して、大切な人や仲間を「守る力」になるでしょう。
大切な人を守り、大切なことを通すために、愛ゆえに闘える肚(ハラ)の力を、元々あなたは持っている人です。
でも愛なしの闘いは、潰しあって焼け野原になるだけ。
生かす愛、守る愛、創る愛。
強さと統合したあなたの中の本当の愛を輝かせるためには、まずはこれまで切り離してきた「女性性」を取り戻すことです。
だからね、まずは
泣いてみよう。
甘えてみよう。
からなんですよ。
家庭の平和と、世界平和のために(^ ^)