「感」をないことにするから「自分」がわからなくなる

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ある場所で、ある偉い先生が
こんなふうに言っているのを聞きました。

「知識、技術、感性を身につけて・・・」

ん??
ちょっと私はひっかかった・・・

知識はわかる。技術もまあわかる。
でも、感性は「身につける」じゃないだろ、
「磨く」ならまだわかるけど

・・・て。

「身につける」というのは、
もともと自分にはないものを、外から取り入れて
自分の「身につける」ということですよね。

もともと、自分にはないもの。
自分じゃないもの。

たしかに、知識はそうだ。
自分にはないものを、外から学んで
自分の肥やしにする。

技術もある意味、そうだ。
自分にはないものを学んで、自分でやりながら
自分のものになる。

じゃあ、感性もそうなの?
もともと自分にはないものなの?

そうじゃないでしょう、と思うわけです。
私は、感性は
人間生まれた時から持っているものだと思っている。

感じること。
感覚・感性・感情。
直感、実感、体感。

この「感」の力ってすごいんですよ。

赤ちゃんはお腹の中にいる時から
大事なことぜんぶ感じてる。
言葉は知らないから、言葉以前の「感覚」としてわかってる。

生まれてきてからもそう。

子供の感覚・感性はすごいな、って
きっとお子さんのいる方は感じたことがあるでしょう。

泣いて、笑って、はしゃいで、だだこねて・・・・
これほど感情を豊かに、素直に感じている存在ってすごいでしょう。

「感」とは、いちばん生(なま)の人間の力だと思う。
人間が原初、持つものだと思う。
言葉なんかよりもっと古い。
生物として、いのちとしての力。

自分がどう感じているか。
これが自分という人間を実感する手がかりなんだと思う。

けれど、「感」の力がもともとこんなにあったのに
育って歳を重ねるうちに
それはどんどん埋もれていく。

親の言葉や、家の空気、
その土地や、時代の風潮
しつけ、教育、慣習、常識
善悪、損得、あらゆる価値観のモノサシ

そういうものが
もともとあった「感」の上にどんどん積もっていく。

頭脳・理性・論理・知識・数値
思考・分析・比較・実証・客観

そういうものの方が「感」よりも
正しく、確実で、立派で、信じるに足るものだと思い込まされて
そればかり信じて頼るようになる。

「感」はどんどん埋もれて見えなくなっていく。

「感」なんていう、曖昧で、生々しくて、よくわからないものは
ヘタに触れない方が安全だ、なんて思いこんで
ますます「ないこと」にされてしまう。

そうやって「自分」がよくわからなくなる。

どう感じているか、わからない。
なにをしたいか、わからない。
なにがうれしいか、わからない。
なにが悲しいか、わからない。
自分がなんだか、わからない。

どうすれば「いい」の。
どう考えれば「いい」の。
なにが「正しい」の。
なにが「正解」なの。
具体的に言ってくれればそうするのに。

そうやって、自分以外の「基準」を求めてしまう。
自分以外の「確かなもの」を探してしまう。

「感」をないことにすると
こうなってしまうんです。

だって、「感」こそが
本当は自分自身だから。
「実感」こそが生きている感覚だから。

「感」をないことにしたら
その分、本当の自分も死んでいるに等しいのだから。

「感」が意識の地下深く埋もれすぎると
もう、そんなものがあったのかどうかさえ
わからなくなってしまうんです。

そんなだから、
どこかで急に「感性が大事」なんて言葉を耳にすると
「そんなの自分にない」って思っちゃうんだね。
だから「身につけなくっちゃ」って思うんだね。

ないんじゃないんだ。

自分が「ないこと」にしちゃったから
あまりにも、無視してきちゃったから
こんなにも、信じてこなかったから

もうわからなくなっちゃったんだよ。

だから、
感性は「身につける」んじゃない。

埋もれちゃったんだから
「掘り出す」んです。

親の言葉や、家の空気、
その土地や、時代の風潮
しつけ、教育、慣習、常識
善悪、損得、あらゆる価値観のモノサシ

そういうものを、いったん脇にどけて

頭脳・理性・論理・知識・数値
思考・分析・比較・実証・客観

そういうものを、いったんお休みさせて

心の奥深くで手つかずになっている
「感性」を掘り出すんです。
石ころをどけて、泥を落として。

ちゃんとあります。

掘り出したら、それは
びっくりするほどピカピカしています。

こんなにイキイキして、ふるふるして
なんとも繊細で愛おしいものが
自分の中にもちゃんとあったんだってことがわかったら

ほんとに、涙でてくるよ。

そんな涙なんか、ださないためにこそ
あなたはこんなにも
頭脳と理性と論理を駆使して
がんばってきたのだろうけれども

でも、それと同時に、どこかで
そういう涙を流せる自分を
そういう熱い思いを持てる自分を
求めていたんじゃないだろうか。

本当に、「自分」を生きる実感がほしかったら

感じること。
感覚・感性・感情。
直感、実感、体感。

そういう
「感」を掘り出すことです。
「感」を取り戻すことです。

人生が、今の倍
色付きで、立体的で、リアルになるでしょう。

この記事を書いた人

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大塚 あやこ

経営者の認識変容ナビゲーター
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社 代表取締役
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京藝術大学作曲科卒業。演奏家・作編曲家として約20年、第一線で活動した後、人生の大きな転機を経て心理分野へ転向。2013年に心理カウンセラー/講師として開業し、個人相談、講座、企業研修などを通じてのべ3,000人以上の変容に携わってきた。

悩みや停滞の表面ではなく、その奥にある“無意識の前提”に着目し、根本原因に素早くアクセスする独自メソッド 「ビリーフリセット®」を確立。人がどのような認識で世界を見ているのかを見抜き、その変化を通して、存在と現実の両方を動かしていくアプローチを行っている。

わかりにくい心の構造を論理的に言語化する力と、本質を捉える俯瞰力・洞察力に定評があり、近年は特に経営者・リーダー層から高い支持を集めている。個人セッション、講座、企業研修のほか、後進育成にも力を注いでいる。
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