AI時代に「有能」の基準が変わる。リーダーに問われるものは?

 

AI時代に、「有能」の基準はどう変わっていくのか。

これからの時代に、人間だからこそ発揮できる力とは何か。

その変化の中で、リーダー自身は何を問われていくのか。

AI時代に「有能」の基準が変わっていく

AIの進化が日々止まらない今日この頃。

私自身も仕事にAIは欠かせないものとなりました。

使っていて改めて実感するのは、これまで私たちが「優秀」「有能」と呼んできたものの定義が、これから根本的に変わっていくだろうということです。

 

これまでの時代、私たちが受けてきた教育で重要とされてきたのは、

知識を覚える
数字で計算する
分析的に考える
効率よく正確に作業を実行する

といった力でした。

 

この力がある人が「勉強ができる人」とされ、「いい学校」に入り、「いい会社」に入り、社会に出ても「仕事ができる人」と言われてきた。

 

しかしAI時代になると、こうした知識・分析・効率・正確な作業は、全部AIがやってくれるようになりました。

だからこそ今、ホワイトカラーと呼ばれてきた人たちが失業するのではないかと言われているわけです。

 

では、そんな中で人間だからこそできることは何か。

一つは、AIが出してきたものを受け取る「感性」です。

 

AIは確かに便利に色々な答えを出してくれますが、

それを受け取った人間が

「それってどうなの?」
「ちょっと違和感があるな」

といった「感じる力」がないと、AIが出したものを鵜呑みすることになり、非常に危険な事態を招きかねません。

 

もう一つは、そもそもAIに何を求めるのかという点です。

「こうしたい、こうなりたい」というビジョンを描く力がなければ、AIに対して適切な指示すら出せない。

 

つまり、人間だからこそ発揮できる力とは、

感覚、感情
思いを込めること
思い描くこと
流れを読むこと

・・・いわば右脳的な領域です。

 

面白いのは、これらの力がこれまでの社会では「あまり意味がない」「効率が良くない」と軽視されてきたことなのです。

 

知識・分析・効率・正確な作業、という左脳的な領域を使える人が「有能」とされてきた定義がガラッと崩れて、

感覚・感情・思い・流れを読む、という右脳的な領域を使える人が「有能」になっていく。

 

この天地がひっくり返るようなパラダイム転換が、今まさに起きています。

 

教育と採用が変わっていく

これによって、変わらなければならない領域が、教育です。

 

これまでの教育は、端的に言えば「知識を覚えて、求められる通りに正解を出せる人物」を養成する場所でした。

つまり、AIが得意なことを人間に訓練してきた場所だったとも言えるのです。

 

子どもたちにこれから何を教えていくのか。

いえ、教えるというよりも、子どもたちの感性の力をどう引き出し、育てていくのか。

ここには本当にパラダイム転換が必要です。

 

そして企業においては、「どういう人を採用するのか」という基準も変わっていくでしょう。

 

これまでの時代は、ロボットやAIがまだなかったからこそ、決められたことをマニュアル通り正確にこなせる人材が求められてきました。

しかし、このパラダイム転換を自覚しないまま、今まで通りの「優秀な人物」を求め続けていたら、そこから先、明らかな差が生まれてくると思います。

 

まあしかし、ここまでは世間でもよく言われる話。

「そりゃそうだ」と思われるかもしれません。

ここではさらにもう一歩、私の考察です。

 

とはいえしかし、実際に変わっていくのは思いのほか大変な道のりがある。

そのことに気づいているかどうか?

 

本当に変わっていくのは大変

なぜなら、パラダイム転換というのは、社会のどこか遠くで起きる話ではなく、自分という一人の人間の内側から起きることだからです。

 

たとえば、あなたがリーダーだとして。

これまでの世界で有効だった力——知識・論理・分析・効率・正確さなど——を価値として頑張ってきた方も多いでしょう。

 

しかし目の前に、

感覚で物を言い
思いを込めていると語り
「愛があるかどうか」
「気持ちがついていけない」
などと言う部下が現れたとしたら?

 

抵抗は起きないだろうか?

その人物を受け入れて信頼できる心の土壌が、自分の中にあるだろうか?

 

そんなふうに想像してみてください。

 

おそらく、これまでのパラダイムの中で優秀だった人ほど、ここに葛藤が起きてくるはずです。

自分自身がパラダイム転換をしていなければ、そうした人物の価値を正しく見ることもできないし、活かし方もわからない。

ということになるのではないでしょうか。

 

これが次に起きてくる「人の内側の混乱」だと、私は予測していますし

もしかしたらその兆候はすでに、ベテランと若手との間で起きる世代間ギャップ、という形で現れ始めているのかもしれません。

 

リーダー自身のパラダイム転換が重要な理由

だからこそ、先を見ていきたい経営者やリーダーは、

自分の中の左脳パラダイムオンリーだった内側のOSを書き換える必要があります。

 

ただし、これは左脳を捨てて右脳を取るという話ではありません。

私はこれを「両立・両建ての力」だと思っています。

左脳的な力と右脳的な力、両方がちゃんとわかって使える。

これがベストな未来の姿です。

 

この両立のパラダイム転換を、経営者やリーダーが一人一人、自分のこととして起こしていくこと。

それが新しい社会へ向けた企業のあり方を先取りして、創って、示していく道ではないかと考えています。

 

 

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この記事を書いた人

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大塚 あやこ

経営者の認識変容ナビゲーター
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社 代表取締役
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京藝術大学作曲科卒業。演奏家・作編曲家として約20年、第一線で活動した後、人生の大きな転機を経て心理分野へ転向。2013年に心理カウンセラー/講師として開業し、個人相談、講座、企業研修などを通じてのべ3,000人以上の変容に携わってきた。

悩みや停滞の表面ではなく、その奥にある“無意識の前提”に着目し、根本原因に素早くアクセスする独自メソッド 「ビリーフリセット®」を確立。人がどのような認識で世界を見ているのかを見抜き、その変化を通して、存在と現実の両方を動かしていくアプローチを行っている。

わかりにくい心の構造を論理的に言語化する力と、本質を捉える俯瞰力・洞察力に定評があり、近年は特に経営者・リーダー層から高い支持を集めている。個人セッション、講座、企業研修のほか、後進育成にも力を注いでいる。
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