
「そうなんだね」とは
相手が言ったことを、良い・悪いと判断せずに、
「(あなたは)そうなんだね」とそのまま受け止めるあいづちのこと。
同感でも、同情でも、同意でもありません。
「その人がそう感じた」という事実を、ただ「あなたは、そうなんだね」と尊重すること。
傾聴の、いちばん基本の姿勢です。
職場で・部下との間で使うなら↓
なぜ「聞いてくれない」と言われるのだろう?
大切な人やパートナー、あるいは子供との間で、心の通った話やホっとできるような会話をしたい。
なのに、なぜか口を開くとお互いギスギス、バチバチしてしまう。
仕事では、業務連絡や通達のような話ばかりで、気持ちが通っているという感じがしない。
相手の話を聞いているつもりなのに、なぜか「ちっとも聞いてくれない。わかってくれない。」と言われる。
・・・・そんなことはないでしょうか。
それで、
どういう言い方をしたらいいんだろう。
何を話したらいいんだろう。
と、色々考えてしまうかもしれませんね。
そんな時、もう一つ、このことを考えてみてください。
「言い方」「話したら・・」ではない
どんなふうに「聴いたらいいんだろう。」
これです。
話の聴き方、あいづちの打ち方で、関係性というのは全然変わってくるものです。
今日は、「話を聴く」ということについて考えてみます。
相手の話、聞いてますか?
日常生活で、多くの人がやりがちなこと
1.オレ様タイプ
・そもそも相手の話をちゃんと聞こうという気がない
・相手の気持ちを受け止める、という発想がそもそもない
・その必要性がよくわからない
・指示命令が多い
立場が上になると、こうなっている場合は多いです。
名付けて「オレ様タイプ」。
もちろん、男性ばかりではありません。
お母さんも、気づかずにお子さんに対して、こういうかんじになっている時もあるかも・・・。
2. 自分が話したいタイプ
・相手の話していることよりも、次に自分が何を言うかの方に気をとられている。
・相手の話していることに、自分の価値観で「それは違う、それは正しい」と反応して言い返す。
・「違うんだよ」と思いながら、言わずにガマンしている、など。
これは、わりと普通にやっています。
相手の話を聞きながら「自分だったら・・」というところに心の占めている割合が多く、重心がどうしても相手より自分になってしまいます。
もちろん日常会話ではこれも一つの会話の形ですから、悪いわけではありません。
お互いに言いたいことを言う、というのも一つのコミュニケーションではあります。
でも、毎度毎度だと、疲れることもありますね。
3.問題解決タイプ
・相手の話に、つい「それはこういうことだよ。」「こうすればいいよ。」など解決策やアドバイスを言いたくなってしまう。
・相手が伝えたい気持ちより、「何か言ってあげなくちゃ、何かしてあげなくちゃ」ということに頭が回っている。
これは男女の間で起こりがちなパターンにもなります。
たとえば、奥さんや彼女が「それでね、こうでね、そしたらね・・・」ととりとめもなく話す(と男性からは見える)のに対して、
男性は「それで結局なに?」とか言ったり、「じゃあこうすれば?」と解決策を示したりしてしまう。
「それはね、こういうことなんだよ」という解説型とか。
「助けてあげよう、役に立とう」と思ってのことなのです。
でも、そうするとなぜか相手は怒りだしたりする。
「そんなこと言ってほしいんじゃない!! もういい!あなたに言ったってしょうがないんだから!!」
ってね。
あくまでも典型的な一例ですが、女性は、まず気持ちを受け止めてもらいたい傾向があります。
「へえ〜、そうだったんだ。それはしんどいね。」
などと、まずは言ってもらえると、とても安心するのです。
そんな風に聞いてもらえたら、相手の信頼感は一気に高まるでしょう。
4.ひたすら同意タイプ
・基本的にいつも、人が言うことを聞いている。
・自分が本当にどう思っているかは別として、とりあえず、うなずいたり、微笑んだりしている。
・とりあえず、同意しておく。
・自分の気持ちは絶対に言わない。
自分を横において、相手のために。相手さえよければ。
この場さえ平和なら。波風さえ立てなければ。
そうやって、自分という存在を消して、隠して・・・というのは、一見とても聞き上手のようですが、
もしかして、本当に相手の話を聞いているというより
自分が責められないように、
自分が嫌われないように・・・
という防衛が一番の目的になっていることがあります。
その場合、相手に対して心を開いていないという意味で、本当に相手を受け止めていることにはなっていないかもしれませんね。
コミュニケーションとしては、これはこれで一方通行になります。
これを続けていると、自分の方が消耗して「疲れた!もうムリ!」となりかねません。

ハートがゆるまる聴き方
本当は、男女問わず、老若問わず、人は受け止めてもらいたいもの。
自分の気持ちを受け止めてもらえると、とても安心したり、ホッとしたりするものなのです。
そうやってハートが安心してゆるむと、人は自分の本音・本心に触れることができます。
「ああ、自分はこうしたかったんだ。こんな思いがあったんだ。」
気づかなかった自分自身に気づき、それを安心の中で相手に伝えることができます。
それを受けて
「ああ、そうだったんだね。」と理解が起きる。
「それだったらこうしようか。」とお互いの納得と合意が見つかる。
この温かく「通い合う瞬間」を、人は本来求めているのではないでしょうか。
相手のハートがゆるまる聴き方。
であるとともに、自分も楽な聴き方。
これが、専門用語では「傾聴(けいちょう)」と呼ばれる聴き方です。
受け止めるとは何か
受け止めるというのは、ただ
「へえ、そうなんだね」
と尊重してあげることです。
「同感、同感!わかるわ〜。」
というのとも違います。
べつに同感してなくてもいいのです。
同情とも違います。
自分まで同じ気持ちになる必要はないのです。
相手の気持ちを「受け入れる」必要はないのです。
その人の感じ方と、自分の感じ方が違っても。
その人の考えるように、自分は考えていなくても。
あるいは逆に、たまたま自分と感じ方が同じであっても。
どちらにしても、自分はさておき、
「へえ、(あなたは)そう感じたんだね。」
「へえ、(あなたは)そうなんだね。」
「へえ、(あなたは)辛かったんだね。」
そこには、隠れた「あなたは」という主語があります。
そこに最大限うなずくことです。
「その人がそう感じた」という事実を、ただ「あなたは、そうなんだね」と尊重すること。
それが「受け止める」ということであり、そうやって聴くのが、最も相手に優しい聴き方です。
こういう聴き方ができるようになると、パートナーや大切な人との間で余計な諍いが減り、ゆったりとしたつながりを取り戻すことができるようになるでしょう。
ちょっと練習してみましょう。
ハイ!ご一緒に、心をこめて!!
「そうなんだねえ〜。」
いかがでしょうか?
そして、自分が話す時も「そうなんだねえ〜。」と聴いてもらえたら・・・・想像してみてください。
ちょっとホッとしませんか。
「あー、わかってもらえた」って感じがしないでしょうか?

ジャッジ(審判)しないで聴く
傾聴の最大の特徴は「ノン・ジャッジ」です。
つまり、相手が言ったことに対して「これはいい」とか「それは悪い」とか判断・審判しないこと。
その方がそう感じたのだったら、それがその方の真実ですから、
「ああ、そうなんですねえ」なのです。
たとえそれが
「あんな人は許せない」
みたいなことであったとしても。
その時
「ええっ、何言ってるんですか」とか
「ちょっと冷静に考えて。」とか
そういうことは言わなくていい。
「ああ、そういう気持ちになるんですね。」
「それだけいろんなことがあったんですね。」
そんなかんじで、受け止めます。
あらゆる人間のドロドロした感情も
ドロドロとした営みも。
どんなにダメダメでも
どれほどグダグダでも。
その人が実際そうなんだったら、まず「そうなんですね。」なんです。
そして、その事実を尊重してうなずくのです。
ノン・ジャッジの姿勢で受け止めて、お互いがそういう地平に立ったところから、その方の心は、本当に大切なことへとゆっくりと浮上していったりするものです。
自分に対する受け止め方が、他人に対する受け止め方
そんなこと言っても・・・
判断しないで「そうなんですね」なんて思うのは難しい・・・
やっぱり許せないことは許せないでしょう〜。
と感じる方もいるかもしれません。
実は、
他人に対する「ノンジャッジ」
の受け止め方ができるためには、
自分に対して「ノンジャッジ」
で受け止められるようになることが必要なのです。
他人に対して厳しい思い方をしてしまうとしたら、
何より自分が、自分自身に対して厳しい思い方をしているんだな、と思ってみてよいでしょう。
そして、自分自身が
「こうでなければならない」
「こうであってはならない」
という常識や思い込みの枠の中で、けっこうガマンしているかもしれません。
ですから、本当に受け止めて聴けるようになるためには、
自分の中にあるどんな思いに対しても、常識や一般論や、善悪、良し悪し・・・等の判断をつけずに
「ああー、そうなんだね」
と受け止められるようになる練習を重ねることがポイントです。
「〇〇ではいけない!」という思考の縛りをゆるめていくことも必要です。
自分に対する扱い方が
他人に対する扱い方。
その逆もまた。
これらは双方「鏡」であることは、心理の世界では知られたことです。
ということは、
他人の話を「ノンジャッジ」で受け止めなきゃ!
そうできるように心がけなきゃ!
なんてがんばらなくても。
まずは自分の話(気持ち)を、自分がよく聴いてあげて、自分の気持ちをノンジャッジで受け止めてあげることに慣れていけば
おのずと、他人に対してはそうなっていく、ということになります。
まずは、自分から。
自分が自分に対する扱い方をどうするのか。
そこに集中することが、解決のカギになります。
参考記事です↓
まずは自分に「そうなんだね」
なので、まず自分の気持ちに耳を傾け、
自分の心が言っていることが聞こえたら
まず「あー、そうなんだねえ〜。」
と言ってみてください。
それで終わり。
それ以上「でもこうじゃないか、ああじゃないか」と言わなくていいので。
そして、人が話している時には
基本的に自分のことは頭を空っぽにして、
相手のことを「何か可能性を持った存在だ」というまなざしで見ながら(ココもすごく大事!)
「(あなたは)そうなんだねえ。」と思いながら
時々「そうなんだねえ〜。」と口に出して言ってみてください。
あんまりいちいち口に出して言っていると、逆に、真剣味がなく感じられますから、時々でね。
そして、自分が話す時には、ちゃんと自分の思いを話せばいいのですから。
本当に大切な人との関係を、ハートの通う優しいものにしていきたいと思ったら・・・・
自分にも、相手にも、そんな聴き方を実験してみることをお勧めします。
職場で・部下との間で使うなら↓







