「愛の反対は無関心」は、嘘じゃないけど正解でもない。

 

 

「愛の反対は無関心」

と言ったのはマザーテレサ。

 

だと日本では言われているが、

実は
エリ・ヴィーゼル(ノーベル平和賞受賞者)
が言った、というのが
世界標準の認識らしい。

 

まあ「誰が」はどちらでもいいとして。

 

それはその人が考えた定義であって

だからってそれが
正解ってわけじゃないんだ。

 

みんな、そこを
簡単に「正解!」って思ってない?

って、時々私は思う。

 

 

そう、それは別に
正解でも、普遍的真理でもなく

それを言った人はそう思った
という一つの見解なのよ。

 

もちろんそれは
なるほど!と多くの人を納得させる
素晴らしい定義だと思うし

ああ、マザーテレサらしいなあ!

なんて雰囲気がするからなおさら
説得力を持って
伝聞していったのだろうけど

 

けど、それはやっぱり
発話者の見解なの。

「あなたはそう考えるんですね〜」
っていうこと。

 

しかし、あまりにも
その言葉が有名なもんで

後に続く人がまるっとまる覚えで

「愛の反対は無関心でしょ」

って、まるで

「暑いの反対は寒いでしょ」

みたいに
超当たり前に語っているのを聞くと

 

いや、だからそれはマザーテレサが・・・

って、私は昔から
胸がモゾモゾしたもんだった。

 

愛の定義は何か?

 

愛の反対は何か?

それは深い問いだと思う。

 

そもそも

愛をどのように定義しているか?

そこから問われるべきものだ。

 

自分が考える愛とは何か?

だからこそ、愛の反対は何か?

 

それは、どこかから正解を
引っ張ってくればいいっていう
種類のものではなくて

まず

 

私はどうなの?
私はこう思うんだ。

そして

あなたはどうなの?
あなたはそう思うのね。

 

という極めて個人的な感覚で
受け止め合うのが
一番しっくりくる気がするのだ。

 

 

長年、人さまの心や人生や
ご家族を扱っていると

本当に、「愛」の定義はさまざま!
と驚かざるを得ない。

 

その中にはもちろん
痛い定義もハチャメチャな定義も
たくさん含まれている。

もちろん、無意識で
悪気なく、大真面目に

愛だと思って
良かれと思って

なんだけどね。

 

参考記事

 

だからこそ、

自分はどういうことを愛だと思ってるのか

それを改めて
ちょっとご自身の胸に聞いて
自覚してみると

すごくいいと思うのだ。

 

言葉を使うから、言葉に縛られる

 

人間は言葉を使う生き物だ。

だからこそ、言葉によって
知らないうちに思考が規定され、
自分が規定されてしまう。

 

先ほどの「愛」だけではない。

全ての言葉に
無自覚なイメージが貼り付いている。

 

たとえば、

「親孝行」 と聞くと
ほとんどの人は

いいこと、素晴らしいこと!
親を喜ばすこと!
しなきゃいけないこと!

だと思っている。

 

「わがまま」と聞けば
いけないこと!
恥ずかしいこと!

 

「迷惑」 と聞けば
かけちゃいけない!
とんでもないこと!

 

と反射的に思って疑わない。

それがごく普通の認識だから。

 

そのように

ツー といえば カー
みたいに決まりきった
概念と言葉が無数に存在する。

 

自分でよく検討し、深く考えて
そういう結論に至ったわけではなく

いつの間にかどこかで覚えた定義を
自動でインストールして
リピートしているだけ。

 

なんとなくいいとか悪いとかの
イメージだけで反射的に反応して

白か黒かの狭い選択肢に
汲々とする不自由が
ついて回ることになる。

 

そうやってインストールされている
言葉と概念のことを
ビリーフというのである。

 

「◯◯はこうなのだ」という
ただ一方向からだけの信じ込み。

しかも「信じている」という
自覚がない。

それがビリーフ。

 

そんな一方向だけの定義や
信じ込みに囚われて

自分の定義に自分で苦しんでいることを
私たちは

「ビリーフにやられている」

という。

 

もちろん、それらの定義は
一理あるのだ。

間違いではない。

しかし、一理だけでしかない。

 

本当に深く考えたら、
他にも十くらいの理は見つかるだろう。

物事はもっと立体的で多面的なのだ。

 

その立体性、多面性に
心を開いたなら

 

世界も、自分も本来
もっと自由であったことを思い出す。

 

「こうしかない」と思っていたものが

「こうでも、そうでも、ああでも
どれでもよかった」

ということがわかるようになる。

 

そうやって、心は
羽ばたくことができる。

 

新しい選択肢や
見えなかった出口が
見えるようになる。

 

それが、ビリーフをリセットする
ということであり

 

自分の思考を自分で扱う
ということなのだ。

 

この感覚を
もっと多くの人に知ってもらえたらなあ!
と思う。

 

ビリーフリセットは
お悩み解決とはちょっと違う。

 

無意識の定義を問い直し
自覚的になることなのだ。

 

定義をただの定義であると見抜き

定義から自由になる選択肢を
見出すことだ。

 

言葉の呪縛から脱け出すことだ。

 

概念の空虚さに目覚めることだ。

 

絶対視から自由になって

世界の広さに羽ばたいていくことだ。

 

 

ためしに

あなたの、愛の定義は何か?

探してみては。

 

頭ではなく
ハートで、腹で
感じてみるのだ。

 

そうしたら、
あなたならでは「愛の反対」も
見つけることができるだろう。

 

その答えは、
あなたの心の奥から掘り出した
尊いもの。

 

その、自分の定義を
自分で大切にして生きていく。

 

それを「自分軸」というのであり

自分の人生を生きる

というのだと思う。

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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