「自主性がない!」と怒る前に。自分の「受容力」は大丈夫?

 

リーダーや経営者の方が 「部下にもっと主体性を持ってほしい」 「自主的に動いてほしい」 と願い、そのためにどうしたらいいか一生懸命考えている。

これはよくある話です。

 

で、この「主体性を持つ」ということについて、ちょっと考えてみたいんです。

(ちなみに「主体性」と「自主性」は厳密には違う言葉ですが、ここではまとめてお話しします。)

「主体的」の結果を受け入れられるか

「主体的に動いてほしい」という願い。
それは確かにその通り。

そうしてくれたら嬉しいし、助かりますよね。

 

でも、このとき無意識に望んでいるのって正直、

「相手が主体的に動いて、自分の思うように動いてくれること」 じゃないでしょうか。

ぶっちゃけ、自分がいちいち指示しなくても、自分の望んだ通りに動いてほしい。

これが本音なんじゃないかと思うんです。

 

でもよく考えると、それってすごく都合のいい話なんですよね。

なぜかというと。

仮に部下が主体的に動いたとして、その結果がリーダーの望むものと全然違ったり、意図しない方向だったりしたとき、それを受け入れられるかどうか。

 

もしそこで「何やってんだ」と怒ってしまったら、「主体的にやったのに怒られた」 という矛盾が生じます。

そしたら部下は 「じゃあ指示してください。言われた通りにするから」 と、なる。

 

自分の思った通りに動かないと腹を立ててしまう状態では、自主性も主体性も育ちません。

結局、管理的・支配的にならざるを得なくなる。

でも、主体的に動いてほしい・・・

でもしかし・・・

 

ここに葛藤が生まれるわけです。

 

 

あなたたちは自主性がないっ!

これ、私も似たような経験をしました。

 

以前、音楽療法士の資格を取るために、大学に社会人編入して通っていたことがありました。

その大学がとにかく規則や規律に厳しくて、私にはかなり管理主義的に感じられた。

40代の社会人の目で見ちゃってるので余計にね。

 

ある日、大きな講堂に学生が集められて、壇上で偉い先生がお話をされる機会がありました。

何の話だったかは忘れたんですが、その先生がこう怒ったんです。

「あなたたちは自主性がないっ!」

 

ぷふっ。。。
思わず笑っちゃいました。

だって、あれだけ厳しく管理して「あれはダメ、これはダメ」「ああしろ、こうしろ」ってやっておいて

「自主性がない」って怒るって・・・。

そりゃそうなりますよ、という話で。

 

でもこれ、笑い話じゃなくて、実は企業でも家庭でも、同じ構造がよく起きています。

 

 

リーダーに必要な力とは

では、リーダーには何が必要なのか。

私は思うのです。

 

主体性や自主性を求めるのであれば、リーダー自身に必要なのは 「多様性を受け入れる受容力」

相手の主体性 ↔︎ 自分の受容力

これが両側に揃ってこそ「主体性」は循環するのだ、と。

 

自分の思った通りではないものが現れた時に、アレルギー反応のようにイラッとして否定するのではなく

「へえ、そんな考え方があるんだ」
「君はそう思うんだね」

と、新鮮な驚きをもって、一旦ニュートラルに受け止められるかどうか。

 

その上で「今はこれが必要だから、こういう風にしてね」 という対話が始まる。

 

自分の思った通りでないことにアレルギー反応を示していたら、相手の自主性と主体性は出てくる隙がありません。

リーダーが本当に自主性を重んじ、発揮してほしいと願うなら、育てるべきは次の2つの力です。

 

1.受容力(受けの力・包容力)

自分の好みや好き嫌いに関わらず 「あなたはそうなんだね」と その存在をニュートラルに認め、受け止める力。

 

ただし、受容とは「何でもOK」ということではありません。

受け入れなくてもいい、まず受け止めること。(この違い、大事)

 

やったことの是非は、ちゃんとフィードバックする。

ダメなことはダメと伝える。

でも、その人の存在や考え方そのものは否定しない。

 

「それは違うよ」と「お前はダメだ」は全然違うのです。

行為へのフィードバックと、存在の否定を混同しないこと。

ここを分けられるのが、受容力です。

これはなかなか高度な力ですが、ものすごい威力があります。

 

受容力については、改めて詳しく書きたいと思います。

 

2.発信力(心の奥からビジョンを語る力)

リーダーがどこへ行きたいのか。
どんな願いを持って、何を描いているのか。

それを心を込めて、熱く語る力。

 

リーダーに受容力があって、さらに部下が「自分もそのビジョンに乗りたい」と思えるような対話ができたら

社員は自然とその発信にインスパイアされていきます。

 

「自分もそれをやりたい」

そういう願いが立ったとき、初めて個々の自主性は生かされ、本来持っている力が健全な方向へ向かう。

 

リーダーが自分のことは棚に上げて 「主体性を持て」とコントロールしようとしても、主体性は得られません。

 

まずは自分を耕すこと。

多様性を受け止める受容力と、思いを熱く語る発信力を育てること。

 

この2つが揃ったら、もう一段、二段とうまく回り出して、みんなが生き生きと幸せに働いていける場になっていくのではないかと思います。

 

自分を耕せる場所

 

・・・とはいえ。 「受容力」については、これまでの社会では、その本当のすごさがまだまだ理解されておらず、前向きに頑張る人ほど「受け」が苦手という現状があります。

 

「ビジョンを語る」についても、絵に描いた餅ではなく、リーダーの人間としての熱い思いが乗っているかどうかが鍵になります。

 

両者とも「大事だよね」とわかっただけでは身につかない。

頭でわかることと、自分の中に育てることは別物です。

 

私がリーダーや経営者の方を対象にBLC(ビリーフリセット・リーダーズ講座)をやっているのは、まさにここなんです。

私はこのテーマを、机上の理論としてではなく、実際に育てる場をつくり続けています。

 

がんばっているリーダーの方々に、その重要性と、想像を超えた威力を知って、自分の内側を耕し、

受容力とビジョンを語る力を本当に自分のものにしていただきたい。

 

BLCは、そんな私の願いを込めた実践の場です。
ご縁のある方と、ここでお会いできたら嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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