「わかっているのに動けない」は、やる気の問題じゃない

 

カウンセラーとして12年。
たくさんの方とお会いしてきた中で 一番よく聞く言葉があります。

「頭ではわかっているんです。 でも、できないんです。」

これ、本当に多い。

 

こうした方がいいことは見えている。
やりたいことも、ある。
「そうすればいいじゃない」と自分でも思う。

なのに、からだが重い。
なぜか動けない。

 

あるいは、動いてはいるけど、どこかブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるような感じ。

学んでも「また戻る」のはなぜか

で、多くの人はここで 「自分がまだ足りないんだ」と思うんですね。

だからもっと頑張ろうとする。
もっと学ぼうとする。
考え方を変えよう、マインドを整えよう、と。

 

それは間違いではないんです。

しかし。

 

中には、もっと深いところまで 学んできた方もいるでしょう。

ビリーフのこと、インナーチャイルドのこと、 幼少期の傷つき体験のこと。

ちゃんと学んで、ちゃんと理解して、 「お母さんも精一杯だったんだ」と思えるようになった。

「このままの自分でいいんだ」と 自分に言い聞かせてきた。

 

確かに、それは正しい。

 

でも、心がけている間はなんとかなるのに

ちょっと力が緩むと からだの方からわけのわからない衝動が湧いてきたり

「あんなにやったのに、また戻っちゃった」 となったりする。

 

それは、頭では「わかった」けれど、からだの方がまだ変わっていないのかもしれません。

 

頭だけの理解は、心がけでなんとかなるでしょう。

でも、心がけが途切れた瞬間に、からだの方が本音を出してくるのです。

悔しいけど実感のある方もいるんじゃないでしょうか。

からだが「まだ」と言っている

ここで少しだけ 立ち止まってみてほしいのです。

「わかっているのに動けない」時、
動けないのは、頭ですか? からだですか?

 

ほとんどの場合、頭が、わかっている。

でも 止めているのは、からだの方です。

 

みぞおちのあたりがキュッとなる。
胸がざわつく。 なんとなく、重い。

 

頭は「大丈夫」と言っている。
からだが「まだ」と言っている。

 

この「ズレ」を、多くの人は気のせいだと思うか、気合いで乗り越えようとします。

でも、私はこのズレにこそ 一番大事な情報があると思っています。

 

からだは嘘をつけません。
頭はいくらでも理屈をつけられるけれど、からだの反応は、ごまかしが効かない。

ということは、 からだが止めている時、
そこには、頭では把握しきれていない 「何か」が動いているということです。

 

それを、私は「ビリーフ」と呼んでいます。

幼い頃に身につけた思い込み。
感じないようにしてきた痛みや恐れ。
自分では気づかないまま、ずっと自分を動かし続けているプログラム。

 

頭がどれだけ「大丈夫」と言っても、このプログラムが「ダメだ」と言っていたら、からだはそっちに従います。

 

「わかっているのに動けない」の正体は、意志の弱さではなく

自分でも見えていないプログラムがブレーキをかけているということ。

 

だから「気合いで頑張る」では解決しないんです。

見えていないものを、見る必要がある。

洗濯機の外に出る

じゃあ、どうやって見るのか。

これが、私がこの12年やってきたことであり 今も探求し続けていることです。

 

頭で分析するだけでは、どうしても死角が残ります。

だって、プログラムの中からプログラムを見ようとしているわけだから。

 

必要なのは 「見ている場所」自体を変えることです。

 

たとえるなら。

ビリーフに動かされてグルグルしている時って、洗濯機の中で回されているようなものなんです。

でも、洗濯機の外から見たらどうでしょうか。

「あらー、あそこでグルグルしてたんだわ」と 冷静に見ることができます。

 

外に出て、見てしまう。
それだけで、もうその中にはいないんです。

 

その時、 頭とからだのズレは静かに溶けていきます。

からだが「もう大丈夫」と言い始める。

それは頭で説得した「大丈夫」ではなく
腹の底から来る、本当の大丈夫です。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

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大塚 あやこ

経営者の認識変容ナビゲーター
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社 代表取締役
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京藝術大学作曲科卒業。演奏家・作編曲家として約20年、第一線で活動した後、人生の大きな転機を経て心理分野へ転向。2013年に心理カウンセラー/講師として開業し、個人相談、講座、企業研修などを通じてのべ3,000人以上の変容に携わってきた。

悩みや停滞の表面ではなく、その奥にある“無意識の前提”に着目し、根本原因に素早くアクセスする独自メソッド 「ビリーフリセット®」を確立。人がどのような認識で世界を見ているのかを見抜き、その変化を通して、存在と現実の両方を動かしていくアプローチを行っている。

わかりにくい心の構造を論理的に言語化する力と、本質を捉える俯瞰力・洞察力に定評があり、近年は特に経営者・リーダー層から高い支持を集めている。個人セッション、講座、企業研修のほか、後進育成にも力を注いでいる。
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