個人セッションを終えて、スッキリした心持ちのクライアントさんから、
「今後はどういうことを心がけたらいいですか?」
と聞かれることがあります。
それももっともなことです。
せっかくスッキリしたこの心境を維持するために。
あるいは、せっかく得たこの気づきを日常生活でしっかり生かすために。
何かしら努力を重ねてこそ、確実な変化に結びついていくはず。
だったら私、やっていきます!
ということですね。
その前向きなお気持ちは、とても素晴らしいのですが
私はこうお答えします。
「何も考えなくて大丈夫。なんかしようとしなくていいですよ。
ただ、日常自分がどんな感じか、観察していてください。
そういえば何か前と違うかも・・・なんてことがあるかもしれません。」
努力しているうちはまだ変わってない
なぜ、何にも考えたりしようとしたりしなくていい、と?
それは、心の深いところの土台が変わっていれば、自然と感じ方受け止め方が変わって、行動の仕方も変わっているからです。
自然にしてたら、自然にそうなってた。
それが本当に変化した、ということだから。
ビリーフリセットでもたらされる「変化」とは、そういう変化だからです。
何かの状態を目指して、努力して、心がけて、「こうするぞ!」と自分をコントロールしているうちは、本当に変化しているとはいえない。
私はそう考えています。
そういう「よくなるため」の意図的な努力やコントロールは、いわば常時「筋力」を使って持ち上げているような状態。
じゃあ、その努力や心がけをやめたらどうなりますか?
「元に戻る」ような気がしませんでしょうか?
その筋力を緩めたら、維持できないんだったら
それって、本当に変わったんでしょうか?
多くの方は、その「戻ってしまう」を避けたくて、何か努力をし続けようとされるのだと思いますが
むしろその、自己コントロールを含めた意図的な行動(しなきゃ!行動)こそが、これまでの人生の混乱や不本意を作っているということも大いにあります。
そして心に関しては、その「筋力」にしがみつくからこそ本当の変化につながらない、という逆説もまた存在します。
参考記事
本当に変わったら戻らない
大丈夫。
本当にリセットがかかり、本当に土台が癒され、書き変わったなら、元に戻るということはありません。
戻ったと思うことがあるなら、それはまだ変化に至っていない部分かもしれません。
そしたらまた次のところを、コツコツやっていけばいいんです。
確かに「あーまた自分、いつものアレが出た!」みたいな感じで、馴染みのパターンが「戻ってくる」ことはあり得ます。
しかし、それが以前とどう違うかというと
「それがまた出てるわー」ということに、わりとすぐ気づける自分になっているのです。
以前だったら、「また出てるわー」なんて客観視もできずに、そのドラマに巻き込まれてワーワーになっていたはず。
今は、そういう自分を「眺められる」位置に立つことができているということが、変化した何よりの証拠です。
本当に変化した証拠
つまり、本当に変化したということは、次のような特徴からわかります。
1.自分自身の心境の「デフォルト=そのまんま」が、何か変わっている
2.日常の何気ないシーンで「そういえば」「気がついたら」以前とは違う感じ方や行動をしている。
3.そのことに何の意図や努力も働いていない、ただそのまんまそうなっていただけ
4.あまりに自然なので、昔がどうだったか忘れている。あえて思い出さないとBefore/Afterとして認識できない
5.その感覚が自然で心地よいので、もう元に戻れないし、戻る感じがよくわからない
たとえるなら、ゆっくりじんわり体質改善して、本質的に健康になっていく感じに近いかもしれません。
ビリーフリセットは、そういう変わり方をします。
今日は、そんな変化を体験したお2人の方のエピソードをご紹介します。
ご本人様の了解をいただいています。
「私、いる」だけは絶対戻らない
「存在否定」の強かった、さゆみさんの物語
数年前にビリーフリセット・カウンセリングの養成講座で学び、認定カウンセラー資格も取得した、さゆみさん(仮名)のお話です。
さゆみさんには、もともと「存在否定ビリーフ」(私はいない方がいいという信じ込み)が強く入っていました。
身体の感覚が薄く、自分が何を感じているかもよくわからない。ご自身の体感としては「足がない」というのが実感だったそうです。
そんなさゆみさんが、ビリーフリセットを学び、私の個人セッションにいらっしゃいました。
あの日のセッションは、私もよく覚えています。
ゲシュタルト療法を由来とする「エンプティチェア」・・・椅子を使って潜在意識を見える化し、体感しながら再編成していくワークを進めていく中で
さゆみさんは椅子に座って深く感じるうちに
「あ〜私いる!
足がある・・・!
ああ、いるんだぁ〜」
と、体感・実感が湧き上がり、深い驚きと感動の声があがりました。
「存在否定」に実感がない方からすると「それが何?」という感じかもしれないけれど
「存在否定」とはご本人からするとまさに、自分が存在している感覚がしないのであり、まるで身体から魂が半分抜けているような状態なのです。
そんな彼女の身体に魂が戻ってきて、しっかり着地した。
そんな瞬間であり、その実感が「足がある」という言葉になったのです。
それから数年、今でもさゆみさんはこう言います。
存在否定バリバリの私だったけど、「いる」がわかったのが一番大きかったです。
今でも、存在否定はクセだし、思考がグルグルしたりネガティブになることもあるけど、
でもこの体感・・・「いる、足がついている」というそこだけは、何があっても絶対に戻らないんです。
まさに、存在の根底・土台が書きかわったというのは、こういう感じなのです。
その土台があるからこそ、何が出ても呑まれることなく、乗り切って生きていける確実な「地力」になっているのでしょう。
何も努力してないのに
部下の失敗に怒ってない自分が
できるリーダー、ふみこさんの物語
外資系企業で中堅リーダーとして仕事をされている、ふみこさん(仮名)。
自分にも人にも高いクオリティを求めてバリバリ努力する、いわゆる「できる女性」です。
私の個人セッションを、これまで2回受けに来てくださいました。
そして3回目のある日、こんなエピソードを話してくれました。
部下の女性と一緒に、大事なお客様と会議の日。
待ち合わせしたはずの場所に部下が現れないので連絡したら、彼女が場所を間違えていたことが判明!
今から急いで飛んできても、当然時間には大幅に遅れてしまいます。
「え〜!」と思ったけれど、そこからがいつもの自分とは違いました。
正直にお客様に伝えたところ、優しく許してくださり、
ふみこさん自身も「それならそれで仕方がない。私も場所の伝え方が曖昧なところがあったしな〜」と、なぜか自然と思って、そこまでカリカリしないでいられました。
さて、ようやく駆けつけた部下さんは、どれほどふみこさんに怒られるか!とおびえた表情をしていました。
いつもだったら当然ながら、思い切り不機嫌になって責めていたふみこさんだからこそ、部下の方も「これはマズイ!」と戦々恐々としていたのでしょう。
しかし、この日は違ったのです。
怒ってない。
なんだかやわらかく許容してくれいる。
「あれっ??」と部下さんはちょっと拍子抜けしたようだけど、ホッとした様子でした。
お客様も「間違えちゃったんだね〜」なんてニコニコしてるし、まあいいか。
と、ふみこさんは意外なほどあっさりと切り替えがついたそうです。
それからの会議も和やかに進んだとのこと。
思えば、いつもだったらそこから会議中も「何でこんなことに!」とイライラを引きずって、空気が重くなっていただろう・・・と、ふみこさんはおっしゃいます。
しかも私、「そういうふうに受け止めよう!」とか、意図してやったわけじゃないんですよ?
気がついたらなんかそんな感じになってて。
「そういうこともあるよな〜」なんて思えてたんですー
不思議そうに、でもちょっとうれしそうに語るふみこさんでした。
「まさにそれが、本当に変わった!ってことなんですよ。しようと思ってなくても受容できている。ふみこさんの心が確実にやわらかく進化している証拠です!」
私もうれしくなって、そうお伝えしました。
自然とそうなってる自分
さらに、ふみこさんにはもう一つのエピソードがあります。
ある友人と行き違いがあり、こちらが振り回されたような気持ちに一瞬なった。
以前の自分だったら「ありえない!なんて自分勝手なの!」と怒り心頭になってもおかしくはなかった。
「けれど、今回違ったんです!!」
と、ふみこさんはまた感動の表情でおっしゃいました。
「ああ、相手の立場からしたらそうなるのもわかるわ。だって私はこうだけど、向こうは違う。感覚が違うのも当然かもね。つくづく、自分と人って違うんだなあ〜」
と、自然と相手の状況が想像できて、スーッと心が軽くなってしまったそうです。
ちなみに、後からその話をご家族にしたところ、「えー、普通だったら怒っても当然なのに、その受け止め方ってすごいよ!」と驚かれて
あっそうなんだ!? とご自身の変化を自覚されたそうです。
大事なことは、「そう思うようにしよう!」と自分に言い聞かせたのではないということです。
気がついたら、そういう受け止め方をしてる自分がいた。
なんなら、気がつくことさえ忘れて自然とそうなってた。
これが本当の変化の証拠です。
ちなみに、ここは誤解してほしくないのですが
必ずしもなんでもかんでも「仕方ない」と許容したり、自分が折れたりするようになることが「良い変化」というわけではありません。
あくまでも今回、理想が高くて自他に厳しい傾向のあったふみこさんだからこそ
「そうではない方の自分」・・・つまり、人の事情に共感したり、未熟を受け止めたりする「優しい受容の力」が育ってきたことが、変化なのです。
仮に、いつも人に譲って折れてばかりいるタイプの方だとしたら、「そうではない方の自分」・・・たとえば、自分の軸を通してきちんと伝える、などができてきたなら、それが「良い変化」だったりするわけです。
今まであり得なかった新しい自分が現れる。
しかも、それが心地よい。
それが、本当の変化です。
1枚ずつ、次へ
これも、ふみこさんが真摯にご自身に向き合い、1つ1つのセッションの機会を大切に、その度に1枚ずつベールがはがれていくように、本質的な体験を重ねてゆかれたからだと思います。
それでも、たった2回、3回ですけどね。
ここをやったから、次が見えてくる。
次がクリアできたから、その先が開かれる。
ちゃんと順当なプロセスになっています。
そうやって、心の力がどんどん育って、開花していくのを共に見守らせていただくのは、私にとっても喜びです。
1回やってみてスッキリしたら、さらに次の扉へ。
皆さまにもぜひおすすめしたいと思います。
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